夏至(げし)

「夏至」とは、二十四節気の10番目の節気にあたり、一年で最も日が長くなる時期です。梅雨空が続き、ジメッとした蒸し暑さを感じ始めるころ。降り注ぐ恵みの雨で作物はスクスクと成長し、田んぼではカエルたちの元気な鳴き声が聞こえてきます。

2021年の夏至はいつ?

二十四節気は毎年少しずつ変動します。2021年の夏至は6月21日(月)から、小暑の前日7月6日(火)頃までになりますが、一般的に夏至と言うとこの初日を指すことが多いようです。

夏至とは?

一年で最も昼間の時間が長くなるとき。冬至の頃と比較すると、約5時間近くも昼間の時間が長いといわれています。暦の上ではちょうど夏の真ん中にあたり、夏至を境に本格的な夏へと季節が進んでいきます。

日が最も長くなると聞くと、夏至の頃が一番日の出が早く、日の入りが遅いと思いがちですよね。でも実は、日の出が最も早くなるのは夏至より前で、日の入りが最も遅くなるのは夏至を過ぎてからになります。

昼間の長さは日の出、日の入りの早さや遅さではなく、太陽の高さによって決まるのです。太陽が高い位置を通過するほど、西に沈むまでに時間がかかるため、昼間の時間が長くなります。つまり夏至は、太陽が空の最も高い位置を通過する日といえます。

古来より冬至の日はかぼちゃを食べたり、ゆず風呂に入ったりする習慣がありますが、夏至の日にはどのような習慣があるのでしょうか。

冬至ほど全国的に知られている習慣はないのですが、田植えや種まきを終えたこの時期ならでの風習が地域ごとに残っています。

例えば、関西では夏至から11日目に当たる「半夏生」の日にタコを食べる習慣があります。これには、八方に広がるタコ足のように稲が根付きますようにと、豊作の願いが込められています。また、関東や奈良県では、この時期に収穫した小麦ともち米を合わせ、きな粉をまぶした「半夏生餅」を作って神様にお供えし、実りあることに感謝してさらなる豊作を祈ってきました。

食卓を豊かにする旬のもの

きゅうり

最も低カロリーな野菜としてギネス認定されたこともあるキュウリ。古来より親しまれてきた野菜の一つで、日本では江戸時代後期あたりから本格的に栽培されるようになりました。

昔は熟して黄色くなったキュウリを食べていたからことから、漢字で「黄瓜」と記され、この「キウリ」が転じて「キュウリ」と呼ばれるようになったと言われています。

キュウリは水分量が多いため、体の熱をさましてくれます。江戸子もジメジメと蒸し暑い夏には、キュウリをかじって暑さを凌いでいたそうですよ。

新鮮なものは皮の緑色が濃く、イボがトゲトゲしてハリがあります。みずみずしく、パリッとした食感を楽しむには、丸かじりやスティック野菜としていただくのが一番。暑くて食欲が湧かないときは、さっぱりと酢の物にするのもよいですね。

オクラ

「風邪の引き始めには生姜湯」と言われるように、古くから生薬として用いられてきました。古語では中国から伝わった生姜を「呉(くれ)のはじかみ」、日本に自生していた山椒を「和のはじかみ」と呼んでいました。ちなみに“はじかみ”には、顔をしかめるという意味があり、思わず表情がゆがむほど刺激的な味であることを表していたとも言われています。

初夏のころに出回る色の白いものが「新生姜」で、みずみずしく、繊維が少なくて柔らかいのが特徴です。通年スーパーなどに出回っている根生姜よりも辛みが控えめで、爽やかな香りが楽しめます。

新生姜はあまり日持ちしないため、新鮮なうちに生でいただいたり、甘酢漬けにしたりするのがおすすめです。

実山椒

海外では「ジャパニーズペッパー」と呼ばれている山椒。爽やかな香りとピリリッとした辛味があり、料理の隠し味として使われることも。古くから日本に自生しており、最古の薬味とも言われています。山椒は香辛料だけではなく、生薬としても用いられてきました。

山椒の木は余すことなく、すべてをいただくことができると言われています。例えば、葉は「木の芽」または「葉山椒」として、お椀や煮物などに添えられます。実は「実山椒」、花は「花山椒」と呼ばれ、佃煮にしたものは絶品です。また皮を刻んでアク抜きし、醤油で炊き上げた「辛皮(からか)」は、幻の珍味とされ、お酒のあてとししまいても◎。

6月ごろに採れる山椒の実は、雌木にしか成りません。旬の時期が大変短く、時期を逃すとすぐに固くなってしまうため、収穫したら早いうちに下茹でし、水にさらして下処理を。水気をしっかり拭き取った後、小分けにして冷凍すれば一年くらい保存できます。

暮らしを彩る季節の花

アヤメ

花言葉:希望、朗報、メッセージ

アヤメは梅雨の到来を告げる花としてアジサイ同様、古来より親しまれてきた花の一つ。よく端午の節句で用いられる「菖蒲(ショウブ)」の花だと思われがちですが、ショウブとアヤメは別種になります。

また、同時期に咲く鮮やかな青紫色のカキツバタという花があるのですが、その見た目がアヤメにそっくり。

「何れ菖蒲か杜若(いずれアヤメかかカキツバタ)」という言葉があり、どちらも美しくて優劣がつけられない、選択に迷うといった例えで使われます。

見分け方としては、草地など乾燥した場所に咲くのがアヤメで、湿地などの湿った場所に咲くのがカキツバタです。

少し赤みがかった紫色の「アヤメ色」と、少し青みを帯びた紫色の「カキツバタ色」はともに日本の伝統色になっています。

こよみ開運アクション

太陽の光を浴びてパワーチャージ!

中国で古くから大事にされてきた思想の一つに「陰陽論」というものがあります。この世のあらゆるものは、相反する「陰」と「陽」から成り立っているという考え方です。例えば、太陽(陽)と月(陰)、表(陽)と裏(陰)、男(陽)と女(陰)など。この考え方にあてはめると夏は陽で、冬は陰になります。

一年で最も昼間の時間が長くなる夏至は、力強い太陽のパワーを受けて陽の氣が最も強くなる日といわれています。そのため、いつも以上にやる気が湧いてきたり、ポジティブな気持ちなれたりします。

このチャンスを活かして「夏までに○キロ痩せる!」「年内に資格を取る」など、プチ目標を立ててみるとよいでしょう。力強い太陽のパワーが、きっと後押ししてくれるはず。

次は「小暑」。梅雨が明け、カラッとした青空が広がり、ギラギラとした太陽が眩しい季節。いよいよ本格的な夏の始まりです。

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