清明(せいめい)

「清明」とは、二十四節気の一つで、春の中では5番目の節気にあたります。春らしい陽気に包まれ、入学式や入社式など、新しい始まりや出会いにわくわくする季節です。
2021年の清明はいつ?
二十四節気は毎年同じ日とは限りません。2021年の清明は、4月4日(日)から4月19日(月)までの約15日間になります。
清明とは?
二十四節季で5番目の節気であり、晩春を現す季語。すべてのものが生き生きと、清らかで明るいという「清浄明潔 (しょうじょうめいけつ)」を略した言葉になります。
草木が芽吹き、色とりどりの花が咲き乱れ、鳥や蝶、虫たちもアクティブに動き出すころ。美しい桜が見ごろを迎え、街は淡い桜色に包まれます。澄んだ青空と、ぽかぽかした春の陽気に心が躍り、清々しい気持ちになれる。まさに“清明”という言葉がぴったりな季節です。
またこの頃、南東から吹いてくる暖かく、心地よい風を「清明風」と呼び、春を運んでくる風と言われています。
食卓を豊かにする旬のもの
初鰹

生気のある初物は生命力やパワーに溢れ、それをいただくことで運気が上がると言われるほど、縁起が良いものとされてきました。中でも鰹(かつお)は「勝魚」と呼ばれ、勝負運を担いでくれるものとして人気で、「初鰹は女房と子どもを質に入れても食え」と言われるほど、江戸っ子も大好物だったようです(当時、初鰹は小判一枚と言われるほど高級な食材でした)。
脂が少なめであっさりとした初鰹は、表面にこんがりと焼き色を付けてタタキにするのが一番。生姜やネギなどの薬味をたっぷり添えて、柑橘系のポン酢や醤油ダレでいただくのが◎。
三つ葉

爽やかな香りが春を感じさせてくれる三つ葉は、“日本のハーブ”とも呼ばれており、数少ない日本原産の野菜です。野山に自生していますが、江戸時代あたりから野菜としても栽培されるようになり、季節を感じる旬のものとして、日本人の食卓に親しまれてきました。
1本の茎に3枚の葉がつくことから“三つ葉”と名付けられました。三つ葉の種類は3つあり、春先に出回るのは茎が白く、太めで、根が付いたままの根三つ葉。通年出回っている糸三つ葉に比べ、食感がしっかりとしているため、お浸しや和え物、炒め物などに向いています。
ほたるいか

身が蛍のように青白く光ることから“ほたるいか”と名前が付いたそうです。春先にかけて、富山県や兵庫県の日本海側で多く水揚げされます。
春になると産卵のために、深海から海面近くにほたるいかが集まり、暗い海に幻想的な青白い光を放ちます。このとき、ほたるいかの大群が浜辺に打ち上げられてしまうことがあり、この光景を「ほたるいかの身投げ」と呼び、富山湾の春の風物詩となっています。
富山では沖漬けはもちろん、獲りたてのほたるいかをサッとゆでた“桜煮”も定番料理の一つ。甘酸っぱい酢みそや辛子みそを付けていただきます。その他、炊き込みご飯やパスタなどで、旬の味を楽しむのもよいですね。
暮らしを彩る季節の花
チューリップ

花言葉:思いやり、博愛
チューリップといえばオランダが有名ですが、実は原産国はトルコ。トルコ語でターバンを意味する「ツリバン(tulipan)」が名前の由来なのだとか。日本には江戸時代後期に持ち込まれ、「牡丹百合(ぼだんゆり)」「鬱金香(うこんこう)」などと呼ばれていました。
花びらのかたちや大きさも様々で、赤、白、黄、ピンクなど、様々な色があるチューリップですが、色や本数によってもそれぞれ花言葉があります。
【色別】花言葉
- 赤色……真実の愛
- ピンク色……誠実な愛
- 黄色……実らぬ恋
- 白色……失われた愛・新しい愛
【本数別】花言葉
- 1本……あなたが運命の人
- 3本……愛している
- 6本……あなたに夢中
- 8本……思いやりに感謝
- 9本……いつも一緒にいよう
- 12本……妻(恋人)になってください
※色別、本数別の花言葉は、一部分を抜粋しています。
周りにいてくれる人たちへの思いやりを大切に…。日々の暮らしの中にチューリップを飾って、春を感じてみませんか。
こよみ開運アクション
ご先祖様に感謝の気持ちを伝えよう
この頃、沖縄では伝統行事の一つ「清明祭(シーミー)」が行われます。お墓の前に重箱料理やお酒、花などを持って親族が集まり、ご先祖さまの供養を祀る行事です。中国にも「清明節」と呼ばれるご先祖さまを供養する風習があり、江戸時代中期頃日本に伝わったとされています。
この時季の開運アクションとして、古来の習わしを取り入れてみるのもひとつ。お墓参りに行くことが難しい場合は、ご先祖さまに感謝し、手を合わせるだけでもよいでしょう。生かされていることに“ありがとう”と伝えるだけでポジティブな気持ちになれるものです。
次は「穀雨」。季節は春真っ盛り。虫や鳥たちがアクティブに活動し、穀物に実りをもたらす恵みの雨が、田畑を潤します。